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コンゴ東部の人道危機の講演をしてくださった米川正子さん(現JICA
/UNHCR職員)から、学生の皆さんの質問へのお返事が送られてきまし
た。米川さんならではの返事に、さすがの私も「なるほど…すごい
とうなってしまいました。
講演会の様子:http://africaclass.blog.shinobi.jp/Entry/136/
学生の皆様へ
質問と感想文をありがとうございます。私の温泉の話に同意した人が多
かったので、嬉しかったです。これからの日本と世界を変えるのは、皆
様のような若者ですので(私もその一人ですが!)、この講演がいろい
ろと考える材料となり、行動に向かうきっかけになれれば、幸いです。
Q:現地での危険はないのか。米川さん自身危険な目にあったことがあ
るのか。死ぬのは怖くないのか
A:危険はもちろんある。ゴマでは、避難民キャンプが2回武装勢力に
攻撃され、避難民が11人殺されたこともある。そこにいた私の同僚も
狙われたが、幸い避難民に保護され、無事でした。今年10月の内戦激
化のときに、同僚の一人が足を撃たれた。私自身、コンゴ東部ではな
く、他の紛争地で危険な目にあったことがある。もちろん安全には気
をつけるが、リスクは戦地でも、日本のような平和な国にでもあるの
で、「起きたときはそのとき」と、考えるようにしている。あまり
ぴりぴりしていると、人生楽しくないので。
Q: 抜け出したときにどう対処するのか
A:料理をする、運動をする(自衛のためにテコンドー)、踊る、友達
とだべる、自然の中で過ごす
Q: 現地の人はこのような情勢に対してどう思っているのか。
A:大変疲れている。常に国軍と武装勢力の犠牲になり、一体誰が
平和をもたらしてくれるのか嘆いている。将来希望も持てなく、
絶望的になっている。
Q: 市民はこの詳細な構造を把握しているのか。政府は知らせる努力
をしているのか。
A:現地には、いろんなアクター(コンゴ政府、国連PKO,国連機関、
NGO,ジャーナリスト、外国政府など)がいるが、誰がどういう理由で
介入しているのかや、外部アクターの区別ははっきりできないと思う。
政府やジャーナリストは大まかな情報しか与えていない気がする。
(日本でも同じだが)
Q. 日本や周辺国が紛争に止めることができないのか
A:もちろん政治的意思があれば、できる。ただ、1)この地域紛争の複雑な現状を知っている人がほとんどいない、2)国益や
エゴのためにコンゴ東部に介入している人が多い、3)紛争の
Spoilersに「人権侵害や戦争をやめなさい。」と言える勇敢な人(政
治家や調停役)がいないことに問題がある。
Q: 学生時代から、こういう仕事を思い描いたのか。現職に至るま
での動機
<=このお返事や他の質問は「続きはこちらへ」
国連とか紛争地ということは考えていなかった。人一倍ある冒
険心で、成り行きで行ってしまったような感じ。
開発問題について感化された
2) その後に、イスラエルのキブツでボランテイアをしている
ときに、現地を旅したり、現地の人と話しているうちに、
中東和平のことに興味を持つようになる。自分は現場派
と確信し、日本に帰国後、現場に送ってくれる団体に応
募する。
3) UNVでカンボジアでの選挙監視員の話があり、その後、アフ
リカでの活動の話がどんどん入ってきた
Q: 政府のCapacity Buildingはされているのか
A:UNDPなどしている機関はあるが、十分ではない。やり方
にも問題あり。(例Eurocentraicであったり)
Q: なぜレイプが多発しているのか
A:レイプはWeapon of Warや敵の民族に報復するために、使われ
るときが多い。
Q: なぜ土地問題が要因化したのか
A:土地=富。コンゴ東部は水も豊富で、土地は大変肥えていて、
農業にも牧畜にも適しているが、これらのために、大きな土地が
必要。200年前から、ルワンダから移民(労働移住を含む)や難
民がコンゴ東部に入っていて、人口密度もが高いこともあり、
土地所有の競争率が激しくなってきた。
Q: 密輸をとめる手段は?
A:国境の管理を強化する。そのために、国境で働くImmigrationや
警察、兵士に給料をきちんと払う。(そうすると、汚職が減る)
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東京外国語大学 外国語学部 准教授
(特別活動法人)TICAD市民社会フォーラム 副代表
専門は、アフリカにおける紛争と平和の学際的研究。
モザンビークをはじめとする南東部アフリカの調査・
研究に従事。大学では、ポルトガル語・アフリカ地域
研究・紛争と平和を教える。
1993年よりNGO活動に積極的に関わり、援助改革、
アフリカと日本をつなぐ市民活動に奔走。
国際関係学博士(2006年 津田塾大学)
国際関係学修士(1995年 神戸市立外国語大学)
-1994年、国連モザンビーク活動(ONUMOZ)で国連ボラン ティアとして選挙支援に携わる。
-1996年、和平後のパレスチナ、ボスニア・ヘルツェゴヴィナで政府派遣選挙監視団に参加。
-1995年、阪神淡路大震災時のボランティアコーディネイター(神戸市中央区)
-2000年より、モザンビーク洪水被害者支援ネットワーク(モザンビーク支援ネットワークに改称)設立、代表を務める。
-2002年、「食糧増産援助を問うネットワーク(2KRネット)」設立に関わる。
-2004年より、(特別活動法人)TICAD市民社会フォーラム 副代表に就任。
-2007年8月より、TICAD IV・NGOネットワーク(TNnet) 運営委員に就任。
単著『モザンビーク解放闘争史~モザンビーク現代政治における「統一」と「分裂」の起源を求めて』御茶ノ水書房 2007年
(日本アフリカ学会 研究奨励賞<2008年度>受賞)
共著 The Japanese in Latin America, Illinois University Press, 2004.