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東京外国語大学舩田クラーセン(船田クラーセンさやか)の公式ブログです。アフリカ・市民社会(NGO)・環境関係のイベントや授業、耳寄り情報を流しています。特に、アフリカに関心を寄せる学生の皆さん必読情報を満載しています。 ************************ *************** 現在、朝日新聞Web版(アサヒ.コム)に記事を連載中。 「魅惑大陸アフリカ」「モザイクアフリカ」のページ をご覧ください。【連載】変わりゆくアフリカ最前線   http://www.asahi.com/international/africa/mosaic/ *********************************** ** This is an Official Blog Site of Sayaka FUNADA-CLASSEN,Associate Professor of Tokyo University of Foreign Studies (TUFS). The following info. is about events & classes on Africa, Civil Society (NGOs), Environmental issues. English/Portuguese sites are not yet available... Sorry, but please study Japanese!
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5月8日にTCSF研究センターの勉強会のフォローアップ企画とし
て、「第三弾 アフリカにおける有機農法普及の課題と可能性を
考える」を開催いたしました。案内文を念のため最後に貼り付け
ておきますので、ご覧ください。また過去2回の勉強会の記録に
ついては、TCSFのウェブサイトの研究センターの欄に掲載され
ているので是非ご覧ください。http://www.ticad-csf.net

さて、今回は『国際協力と有機農業』という本の第一章をご担当
された名古屋大学大学院の西川先生にご発表いただきました。

参加者はありえないぐらい豪華メンバーで、本当に驚きました。
JVCの津山さん、緑のサヘルの岡本さん、CanDoの永岡さん、
サパの野沢さんと則武さん、AJFの斉藤さん、東京農大の稲泉
先生、JAICAFから3名、理事の吉田先生に高瀬さん、大学院生
の皆さん(名古屋から駆け付けた)などが、参加されました。

これまでの流れで、明らかになった、「有機農法」「有機農業」の
違い、「農業とは?」、「この時代に農業をすることの意味」、
「技術移転という考え方の限界」「人こそが重要であること」、
などの点を、さらに深く考えるきっかけをいただきました。

先生のご発表のPDFは、このブログに掲載しようとしているの
ですが容量が大きすぎてできません。時間があるときに、分割
して貼り付けますので、しばしお待ちください。

詳しい発表内容については、そちらを見ていただくのが一番良
いのですが、先生たちが実証研究を通じて、農業政策の構築や
国際協力の計画・実施において、いかに農民自身の主体性が
重要かを明らかにされている点が非常に共感できました。

「農民地震の主体性の重要性」は、これまで耳にタコができるほ
ど繰り返し指摘されてきたことであり、TCSFや協力者の皆様の
大前提にある問題意識でもあると思いますが、その実現は限り
なく難しいのだと、今回のご報告でも痛感いたしました。
なぜ、国策・援助政策形成者は、これが分らない/無視し続け
てしまうのでしょうか。

この先の感想は、「続きはこちら」へ


研究者の役割としては、このような点を「実証」し続け、それを
根拠として、政策に反映するために努力を続けていかなければ
ならないのだ、と改めて感じました。

最初の「農業とは」「有機農業とは」という点についての概念の
変遷についての洞察、現場での実証調査のやり方学、日本の経
験とアフリカの経験の比較等、私自身学ぶところが多かったです。

議論の中では、NGOの皆さんから、「現場の厳しさ」についての指
摘がなされました。気候変動による異常気象の結果、生存ぎりぎ
りの状態のところで、「農業」を考えることすら不可能な状態にな
りつつある現実が、切迫感をもって紹介されました。

もちろん、研究者はずっと現場にはりついているわけではありま
せん。その意味で、どこまで農民や社会のことが分かっているの
か、という点については現場で活動するNGOの皆さんには到底か
ないません。(競争でもないので、「かなう」「かなわない」という
言葉は適切ではないのですが)リスクを背負って、住民とともにやっ
ている皆さんとは、立場が違うだけでなく、見るものも違うのだと
いう点について、改めて認識しました。

しかしながら一方で、研究者だからこそ、他の事例との比較や、
歴史のスパンを長く取って全体に現場を位置づけることができ、
そのことによって、現場だけを見ていると気付かない点の掘り
起こし、あるいは逆に現場からの発信のお手伝いができるので
はないか、とこれまた改めて思いました。

また、政策形成・決定・評価者のそばにいる、あるいはそのもの
である研究者と、現場で頑張ってらっしゃるNGOや実務者の皆さ
んとの対話は、ますます重要だとも思いました。
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プロフィール
HN:
舩田クラーセンさやか
性別:
非公開
自己紹介:
舩田クラーセンさやか
東京外国語大学 外国語学部 准教授
(特別活動法人)TICAD市民社会フォーラム 副代表

専門は、アフリカにおける紛争と平和の学際的研究。
モザンビークをはじめとする南東部アフリカの調査・
研究に従事。大学では、ポルトガル語・アフリカ地域
研究・紛争と平和を教える。

1993年よりNGO活動に積極的に関わり、援助改革、
アフリカと日本をつなぐ市民活動に奔走。

国際関係学博士(2006年 津田塾大学)
国際関係学修士(1995年 神戸市立外国語大学)

-1994年、国連モザンビーク活動(ONUMOZ)で国連ボラン ティアとして選挙支援に携わる。
-1996年、和平後のパレスチナ、ボスニア・ヘルツェゴヴィナで政府派遣選挙監視団に参加。
-1995年、阪神淡路大震災時のボランティアコーディネイター(神戸市中央区)
-2000年より、モザンビーク洪水被害者支援ネットワーク(モザンビーク支援ネットワークに改称)設立、代表を務める。
-2002年、「食糧増産援助を問うネットワーク(2KRネット)」設立に関わる。
-2004年より、(特別活動法人)TICAD市民社会フォーラム 副代表に就任。
-2007年8月より、TICAD IV・NGOネットワーク(TNnet) 運営委員に就任。

単著『モザンビーク解放闘争史~モザンビーク現代政治における「統一」と「分裂」の起源を求めて』御茶ノ水書房 2007年
(日本アフリカ学会 研究奨励賞<2008年度>受賞)

共著 The Japanese in Latin America, Illinois University Press, 2004.
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アフリカ関係イベント&授業&情報 ご報告:第三回アフリカ有機農業勉強会 Produced by 舩田クラーセンさやか
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